未経験からのLinux入門ガイド|インフラエンジニアを目指す第一歩

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未経験からのLinux入門ガイド|インフラエンジニアを目指す第一歩

「インフラエンジニアを目指したいけど、Linuxって難しそう…」
「黒い画面を見るだけで挫折しそう…」

そんな不安を感じている方は多いと思います。
私も最初は、黒い画面を前にして「これが本当にできるようになるのかな?」と思っていました。

でも大丈夫です。

Linuxは確かに最初は取っつきにくいですが、順番を間違えずに学べば必ず理解できます。

この記事では、未経験でも無理なく理解できるように「Linuxとは何か」から「自宅で学ぶ方法」までをわかりやすく解説します。

Linuxを学ぶ前に知っておきたいこと

Linuxは「サーバーを動かすためのOS」です。
Webサイト、オンラインストア、SNS、クラウドサービスなど、私たちが日々使っているほとんどの仕組みがLinuxの上で動いています。

つまり、Linuxを学ぶことは ITの基礎体力をつけること
インフラエンジニアを目指すなら、Linuxを理解しているかどうかが最初の分かれ道になります。

Linuxとは?サーバーを動かすためのOS

Linuxは「コンピュータを動かすための基本ソフトウェア(OS)」の一つで、サーバー用途に特化した無料OSです。

WindowsやmacOSのようにマウス操作はほとんど使わず、文字(コマンド)で操作するのが特徴。
このコマンド操作が、最初は難しく感じられるポイントでもあります。

しかし、慣れると「正確で速く、論理的に操作できる」というメリットを実感できます。

代表的な特徴

  • 無料で使える(オープンソース)
  • 世界中のサーバーがLinuxで動いている
  • 軽量で壊れにくく、高い安定性
  • 自由にカスタマイズできる柔軟性

Google、Amazon、YouTubeなど、世界中のWebサービスもLinuxサーバーの上で動いています。
まさに「IT社会を支える影の主役」といえる存在です。

なぜインフラエンジニアはLinuxを最初に学ぶべきなのか


インフラエンジニアの仕事は、
「サーバー・ネットワーク・クラウド」を設計・構築・運用することです。
そして、その中心にあるのがLinuxです。

ほぼすべての現場でLinuxが使われており、Linuxを知らないと業務の全体像が見えません。
また、AWSやAzureといったクラウド環境でも、Linuxが標準的に使われています。

Linuxができると何が違う?

  • サーバーの構築・設定・監視が理解できる
  • トラブル発生時に自分で原因を特定できる
  • クラウド環境(AWSなど)にもスムーズに対応できる
  • 「Linux経験あり」は転職・就職で圧倒的に有利

Linuxが扱えることは、エンジニアとしての“スタートライン”なのです。

WindowsとLinuxの違いを理解しよう


Linuxを学ぶ上で、最初に戸惑うのが「操作感の違い」です。
下の表を見れば、その違いが一目でわかります。

WindowsLinux
操作方法マウス中心(GUI)コマンド中心(CLI)
主な用途個人PC、オフィス業務サーバー、クラウド
費用有料無料
カスタマイズ性制限あり高い自由度
操作速度やや遅い軽量で高速

最初は「黒い画面に文字を打つ」ことに抵抗があるかもしれません。
ですが、慣れると「クリックより速い」「確実に動く」と感じるようになります。

Linux学習の4ステップ


Linuxの勉強は、いきなり全部を理解しようとすると挫折します。
重要なのは、ステップを守って順番に進めることです。

ステップ① 基本操作(コマンド)を覚える

Linuxでは、すべての操作をコマンドで行います。
最初はよく使う9つのコマンドから覚えましょう。

pwd     # 現在の場所を表示
ls      # ファイルやフォルダの一覧を表示
cd      # 別のフォルダへ移動
mkdir   # 新しいフォルダを作成
cp      # ファイルやフォルダをコピー
mv      # ファイルやフォルダを移動/名前を変更
rm      # ファイルやフォルダを削除
cat     # ファイルの内容を表示
less    # ファイルを1ページずつ表示Code language: PHP (php)


💡コツは暗記より「打って体で覚える」いきなり全て覚える必要はありません。

まずは「lsを打つとこうなる」といった感覚を積み重ねましょう。

ステップ② ファイル構造と権限管理を理解する

Linuxは「すべてがファイル」でできています。
フォルダの構成やアクセス権限の仕組みを知ることで、トラブルを防げます。

たとえば:

/etc/:設定ファイルがある場所
/home/:ユーザーごとの作業領域
/var/:ログや一時ファイル

そしてファイルには「誰が何をできるか」が決められています。
例: -rw-r--r-- → 自分は読み書きOK、他人は読み取りだけ。

この権限の考え方を理解すると、セキュリティや運用の基礎力がつきます。

権限の基本構造を理解しよう

ファイルのアクセス権は ls -l コマンドで確認できます。

ls -l test.txt
Code language: CSS (css)

出力例:

-rw-r--r--

この「-rw-r--r--」の部分が、権限(permission) を表しています。
3つのまとまりに分けて考えましょう。

部分対象意味
rw-自分(所有者)読み取りと書き込みができる
r--同じグループのユーザー読み取りのみできる
r--その他すべてのユーザー読み取りのみできる

💡 記号の意味(3種類だけ覚えればOK)

記号意味英単語の由来
r読み取り (read)ファイルの中身を見る
w書き込み (write)ファイルを編集・上書きする
x実行 (execute)ファイルを実行できる(プログラムやスクリプトなど)

ステップ③ ユーザー・グループ管理を学ぶ

Linuxは「複数人で使う」ことを前提に設計されています。
そのため、ユーザーとグループの管理が非常に重要です。

👥ユーザーとグループの関係を理解しよう

Linuxでは、アクセス権限はユーザーとグループ単位で管理されます。

ユーザー:ログインして作業する人(例:root, testuser
グループ:複数のユーザーをまとめた単位(例:admin, staff

たとえば、社内で「開発チーム」と「運用チーム」がある場合、
それぞれのグループごとにアクセスできるファイルを分ける、という運用ができます。

🧑‍💻新しいユーザーを作成してみる

新しいユーザーを追加するには、次のコマンドを使います。

sudo useradd testuser
sudo passwd testuser
  • useradd … ユーザーを作成
  • passwd … パスワードを設定

出力例:

New password: ********
Retype new password: ********
passwd: password updated successfully
Code language: PHP (php)

この時点で testuser というユーザーが追加されました。

🧩 グループに追加してみる

必要に応じて、そのユーザーを特定のグループに所属させることもできます。

sudo usermod -aG sudo testuser

これで testusersudoグループ(管理者権限を一部使えるグループ) に追加されます。

👑 rootユーザーと一般ユーザーの違い

種類権限できること
root(管理者)全権限ありシステムの設定変更、ユーザー管理、削除など何でも可能
一般ユーザー限定的自分のホームディレクトリ内での操作が中心

たとえば:

rootは /etc/passwd などのシステムファイルを編集できる
一般ユーザーは自分の /home/ユーザー名/ 内だけ操作できる

⚠️ 注意ポイント

rootでの誤操作はシステム全体に影響します。
そのため、普段は一般ユーザーで作業し、必要なときだけ
sudo を使って一時的に管理者権限を借りるのが安全です。


まとめ

  • ユーザーは「個人」、グループは「チーム」
  • 権限はユーザー・グループ単位で設定される
  • rootと一般ユーザーの違いを理解することで、トラブルを防げる


ステップ④ サービスとプロセスを動かしてみる

Linuxでは常に多くのプロセス(動作中のプログラム)が動いています。
例として、Webサーバーを動かす操作は以下の通りです。
「It works!」と表示されたときの感動は、誰もが通る最初の成功体験です。
ここまでできれば、すでに“Linuxを動かせる人”の仲間入りです。

⚙️ サービス(=プロセスの管理単位)

Linuxでは、こうしたプロセスを「サービス」として登録し、systemctl コマンドでまとめて管理します。

主な操作コマンドは以下の通りです👇

開始sudo systemctl start httpdWebサーバー(Apache)を起動する
停止sudo systemctl stop httpdサービスを停止する
再起動sudo systemctl restart httpd設定変更後などに再起動する
状態確認sudo systemctl status httpd現在の稼働状況を確認する

💡 実行してみよう(例:Apacheを起動)

sudo systemctl start httpd
sudo systemctl status httpd

出力例:

● httpd.service - The Apache HTTP Server
   Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/httpd.service; enabled)
  <strong> Active: active (running)</strong> since Wed 2025-11-05 10:30:12 JST; 3s ago
 Main PID: 1234 (httpd)
   CGroup: /system.slice/httpd.service
           ├─1234 /usr/sbin/httpd -DFOREGROUND
           ├─1235 /usr/sbin/httpd -DFOREGROUND
           └─1236 /usr/sbin/httpd -DFOREGROUND
Code language: HTML, XML (xml)

このように「Active: active (running)」と表示されれば起動成功です。

🌐 動作確認をしてみよう

Linux上でブラウザを開いて、次のURLにアクセスしてみましょう。

<strong>http://localhost/</strong>
Code language: HTML, XML (xml)

もし「It works!」と表示されたら、
あなたのLinux環境でWebサーバーが実際に動いているということです。

これはLinux学習の中で最初に味わえる“感動ポイント”でもあります✨


まとめ

  • Linuxは常に多くのプロセス(サービス)が動いている
  • systemctlコマンドでサービスの開始・停止・確認を行う
  • httpdなどのWebサーバーはその代表例
  • 「It works!」が表示されたら、Linux操作の第一関門クリア🎉

自宅でできるLinux学習環境の作り方


Linuxは無料で使えるため、誰でもすぐに環境を作れます。
おすすめは次の2通りです。

VirtualBox(無料の仮想環境)を使う

VirtualBoxを使えば、パソコンの中にもう一台のパソコンを作ることができます。
本体を壊す心配なく、Linuxを自由に試せる安全な環境です。

大まかな手順の流れ

1. VirtualBoxをダウンロード

2. Ubuntu(またはRocky Linux)のISOを入手

3. 仮想マシンを作成して起動

仮想環境なら、うまくいかなくても何度でもやり直せます。
本番サーバーを触る前の練習としても最適です。
「もし失敗したら…」という不安をなくして、安心してLinuxを触っていきましょう。

AWSの無料枠でクラウド練習

クラウド上でLinuxを動かすのもおすすめです。
AWSには「無料利用枠(Free Tier)」があり、1年間・月750時間まで無料でサーバーを使えます。

大まかな練習手順

1. EC2(仮想サーバー)を起動

2. SSHで接続してコマンド操作

3. 不要になったら削除

VirtualBoxが「自分のパソコンの中での練習」なら、
AWSは「インターネット上で本番に近い環境を体験する」ステップです。

実際にクラウド上でサーバーを立てる感覚をつかむと、
仕事や実務で扱うインフラ構築の理解がぐっと深まります。

無料枠を超えると課金されるため、練習が終わったらインスタンス(サーバー)は必ず削除しましょう。

📝 公式サイト

👉 AWS 無料利用枠(Free Tier)公式ページ

独学でも続けられる!挫折しない3つのコツ

① 完璧を求めない

最初から全部理解しようとせず、「動けばOK」で進めましょう。
使ううちに自然とつながります。

「エラーが出たら失敗」と思わず、「学びのチャンス」と捉えるのがコツです。

② 毎日15分だけでも触る

長時間より、短時間の習慣化が大切。
lsを打つだけでもOK」と思えば続けやすいです。

1日15分でも手を動かすことでコマンドが自然と身につきます。
触らない日をつくらない」ことが、最大のコツです。

③ つまずいたら検索&メモ

「Linux エラー ○○」で検索すれば、ほぼ必ず解決方法が見つかります。

現場でも、分からないことはまず“調べる”が基本です。
そして解決できたら、

・どんなことでつまずいたのか

・原因は何だったのか

・どうやって解決したのか

この3つをメモしておくと、自分専用の“カンペノート”になります。

たかしくん
たかしくん

あとから見返すと「あのときこうやって直したな」と思い出せて、理解が深まるだけでなく、自信にもつながります。最初はスマホのメモやノートアプリで十分です。

おすすめの教材・学習サイトまとめ

Linuxの学習は、手を動かして試すのがいちばん。
ここでは、初心者でも取り組みやすい学習リソースを紹介します。

無料サイト

  • Progate:ブラウザ上でコマンドを練習できる入門サイト。
     「環境構築がまだ怖い」という方に最適です。ミッション形式で楽しく学べます。

  • YouTube:「Linux 初心者」で検索すると、実際の操作を見ながら学べる動画が多い。
     特に“黒い画面の雰囲気に慣れる”のにぴったりです。

  • Udemy:セール時に格安で実践講座を購入可能。
     体系的に学びたい方や、サーバー構築まで一気に学びたい方におすすめです。

補足ポイント

無料サイトで「動作の流れ」をつかみ、理解が深まってきたら書籍や仮想環境へ進むとスムーズです。


書籍

①『Linux標準教科書
無料PDFで公開されており、学習コストが低い。
LPI-Japan(Linux技術者認定機構)が公式に提供している信頼性の高い教材です。
コマンドや仕組みを順序立てて学べるため、初めてLinuxに触れる方でも安心。
資格学習の基礎としても活用でき、まず最初の1冊(=無料教材)として最適です。


②『Linuxの絵本 サーバーOSが楽しくわかる9つの扉
難しい専門用語を使わず、イラストでLinuxの世界をやさしく解説。
サーバーって何?OSってどう違うの?といった“そもそも”の疑問を、キャラクターと一緒に学ぶ感覚で理解できます。
黒い画面(コマンドライン)が苦手な方にもおすすめの導入書で、「Linuxっておもしろいかも」と思えるきっかけになる1冊です。


③『1週間でLPICの基礎が学べる本 第4版
図解が多く、コマンドの流れが自然に理解できる構成。
Rocky Linuxに対応しており、実際に仮想マシンを使いながら手を動かして学べます。
LPIC-1の資格取得を目指す初学者にとって、試験対策に入る前の“基礎固め”として非常に優秀な入門書です。


本を読みながら、VirtualBoxなどの仮想環境で実際にコマンドを試すと理解がより深まります。
読む → 打つ → 確かめる」のサイクルがLinux学習の王道です。

学習を定着させるアウトプットのすすめ


Linux学習で一番大切なのは「学んだことを外に出すこと」です。
インプットだけでは、すぐに忘れてしまいます。
実際に書いて・説明して・公開することで、理解が何倍にも深まります。

アウトプットの具体例

  • 学習ノートやGoogleドキュメントにまとめる
    まずは自分用のメモでOK。「今日やったこと」「つまずいたこと」を簡単に残すだけでも効果的です。

  • noteなどで日記のように発信してみる
    「今日できたこと」「エラーで悩んだこと」を書くだけで、同じ初心者にとって貴重な情報になります。
    慣れてきたらQiitaやZennにまとめるのもいいでしょう。

  • SNS(X・Threadsなど)で「#今日の学び」を投稿する
    短い一言でも、続けることでモチベーションが維持しやすくなります。


なぜアウトプットが大事なのか

アウトプットを習慣化すると、理解が深まるのはもちろん、
過去の自分の記録が「学習ログ」として見返せるようになります。

さらに、自分の言葉でまとめた内容は、転職時のポートフォリオにも活用できます。
どんな勉強をしてきたか」を示せるのは大きな強みです。

完璧な記事じゃなくてOK。
・「自分がつまずいたこと」を中心に書くと、他の人にも価値があります。
・「非公開メモ → note投稿 → 記事化(Qiita/Zenn)」と段階的に進めるのがおすすめ。


小さな学びでも、書き残していくと“自分だけのLinuxノート”になります。
積み重ねたアウトプットこそが、最強の学習法です。

まとめ|Linuxは「触って慣れる」が最短ルート

Linux学習で大切なのは、完璧な理解よりも「手を動かすこと」です。

最短で上達する3ステップ

  • コマンドを打って慣れる
  • 仮想環境で何度も試す
  • アウトプットして記録する(可能なら自分より詳しい人からフィードバックをもらう)


最初はエラーが出ても大丈夫。
Linuxは「失敗しながら覚える」世界です。
1日、1コマンドでもいいので、少しずつ触っていきましょう。

半年後、「あのとき触っておいてよかった」と思える日が来ると思います。
焦らず、楽しみながらLinuxの世界を歩んでいきましょう。

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